お庭ができるまで

 東京から京都へ移住されるお客様より、「長年親しんできた東京の庭にある大切な植木や石造品を、京都の新居でも活かしたい」という切実な想いをご相談いただきました。住まいが変わっても、家族と共に歩んできた庭の記憶を途切れさせない。そんな「庭の継承」をお手伝いさせていただいた事例です。  東京の庭から庭木や石造品を慎重に掘り出し、京都へ搬送。長距離の移動に耐えられるよう根回しや養生を徹底し、京都の新しい土壌に適応できるよう細心の注意を払って植栽いたしました。石灯篭は、新たな空間の主役となるよう、最も美しく映える位置へ据え直しています。  お庭の背景に新たに杉皮塀を張り直しました。天然の杉皮が持つ特有の質感と落ち着いた風合いは、移植した瑞々しい木々の緑を鮮やかに引き立てます。京都の街並みや空気感に調和し、年月とともに深みを増していく意匠です。